監 査 第 １１２ 号 平成２６年（2014）１月 ９日
出 雲 市 長
長
岡
秀
人
様
出雲市議会議長
坂
根
守
様
出雲市監査委員
周
藤
滋
出雲市監査委員
吾
郷
紘
一
出雲市監査委員
川
上
幸
博
財政援助団体等監査の結果について（報告）
監
査
結
果
報
告
書
第 1
監査の対象
有限会社 トラベルシリウス 及び 出雲市健康福祉部 健康増進課
①平成２４年度(2012)指定管理対象施設の運営状況 ②平成２４年度(2012)指定管理対象施設の経理状況
第２
監査の実施期間
平成２５年(2013)１１月８日から同年１２月１８日まで
第３
監査の方法
今回の監査は、あらかじめ有限会社トラベルシリウスから決算書及び附属書類等 の必要な資料並びに健康増進課から指定管理者選定に係る資料等の提出を求め、こ れらを審査するとともに、関係職員に対する事情聴取等を行うなどの方法により実 施した。
第４
監査の結果
事前に有限会社トラベルシリウスから提出された監査資料と関係諸帳簿を突合 する中で、一部に不備のあることが判明した。また、その他の事務処理も見直しや 検討の必要な事項が見受けられた。
なお、監査委員としての要望事項は次のとおりである。
〔指定管理者及び健康増進課への要望〕 １． 施設の管理・運営について
〔指定管理者への要望〕 １．利用料金について
『北山健康温泉保養施設の設置及び管理に関する条例』に規定のない利用料金設 定や割引が行われているようである。利用者確保、利用者サービスのため、こうし たことを行うこと自体を否定するものではないが、その際は同条例に沿って「あら かじめ市長の承認を得る」こととされたい。
２．経営赤字の解消に向けて
指定管理に係る平成24 年度収支決算内訳を見ると、自主事業のうち売店、自動 販売機等の収支が約286 万円の黒字、行政財産目的外使用の食堂収支が約 595 万円 の赤字となっており、自主事業以外の維持管理費等本来業務の収支が約 111 万円の 赤字となっている。言うまでもなく、コスト削減等による食堂経営の立て直し、温 泉保養施設における入浴料増収と光熱費、人件費の削減等が急務である。
３．収支報告書の消費税の取扱いについて
平成 24年度収支報告書等については、基本は消費税抜き計上のようであるが、 指定管理料収入に限って消費税込み計上である。これでは、正確な収支を表さない ので、消費税抜きに統一されたい。
４．提出書類等のチェックについて
監査中途において収支報告書等の差替提出があったり、提出書類に誤字脱字等が 数々見受けられるなど、書類の不備が目立った。当たり前のことではあるが、提出 前に入念なチェックを行い、ケアレスミスをなくされたい。
〔健康増進課への要望〕
１．指定管理の範疇と指定管理料について
「食堂は施設の本来の設置目的を達成するために必要ではないことから、指定管 理の外で運営すべき」という見解を示しながらも、指定管理者から提出された食堂 経営を前提とした収支見込みを基に指定管理料を算定している点や、スナック菓子 や土産物等を販売する売店や自動販売機については「指定管理者の自主事業であり、 施設の設置目的の範囲内」と位置付けるなど、指定管理の範疇についての市の考え 方自体に疑問に思う点が多く見受けられた。こうしたことからも、この施設は食堂 部分とそれ以外の施設について一体的に管理し、維持管理業務を含む施設全体にか かる業務を指定管理業務の一環としてとらえることが自然と思われる。今後、指定 管理業務の範疇について、同様の施設についても統一的な取り扱いを行うように再 度検討し、民間の能力を充分活用しつつ「最小の費用で利用者に最大のサービスを 提供できる施設」のあり方を、受託者の意見や利用者の意見も参考に検証されたい。
いて明確に示すとともに、指定管理に係る収支は食堂部分を除く収支とし、指定管 理料を再算定すべきである。
第５
指定管理者の概要
１．有限会社 トラベルシリウス の概要
①所在地 岡山県真庭市湯原温泉 387 番地 1
[兵庫支社]兵庫県三木市吉川町大沢 161 番地 [鳥取支社]鳥取県米子市泉706 番地 375 ②代表者 代表取締役 池田 博昭
③創 業 1978 年 4 月 1 日 ④資本金 1,000 万円
⑤役 員 4 名（取締役 4 名、監査役 0 名）
⑥社員数 150 名（正社員：50 名 パート社員 100 名）
２．目的
（1）旅館業の経営 （2）旅行業の経営
（3）菓子、食料品、日用雑貨品、衣料品、衣料品雑貨、貴金属製品、陶磁器、 ガラス器、彫刻、絵画、スポーツ用品、玩具、娯楽用品の販売
（4）喫茶店および飲食店の経営 （5）仕出し料理の製造販売
（6）鮮魚、食肉、果実、野菜の販売
（7）各種情報の調査収集の企画、製作および販売 （8）情報、宣伝、広告媒体の企画、製作および販売 （9）広告代理店業務
（10）レンタカー事業およびレンタカーリース業務 （11）損害保険代理業務および生命保険募集業務 （12）一般貸切旅客自動車運送事業
（13）一般乗用旅客自動車運送事業 （14）一般乗合旅客自動車運送事業 （15）無償旅客自動車運送事業 （16）特定旅客自動車運送事業 （17）貨物自動車運送事業 （18）運転代行業
３．業務内容
旅館・ホテル業／温浴業／イベント企画業務／飲食店経営／旅行業／一般旅客 運送業／宿泊施設の運営管理、企画開発、コンサルティング
温浴施設の運営、衛生管理、企画開発、コンサルティング イベントホール・コンベンションの運営、企画開発 飲食店の運営、衛生管理、企画開発、コンサルティング ホームページ企画・製作
４．沿革
昭和 53 年 旅館菊乃家 開業 真庭市湯原温泉 （全 30 室・定員 90 名） 平成元年 会社組織設立 ㈲トラベルシリウス 開業
平成 5 年 第 2 種旅行業開業 トマトツアー 開業 平成 8 年 湯原の宿 米屋 開業 真庭市湯原温泉 平成 9 年 一般貸切バス業開業 トマト観光 開業
平成 13 年 トマトツアー並びにトマト観光 兵庫支店開業 兵庫県杜町 平成 15 年 トマトツアー並びにトマト観光 兵庫県三木市へ支店移転 平成 18 年 湯原国際観光ホテル 菊之湯 開業 （全 52 室・定員 250 名） 平成 19 年 飲食店 開業
平成 21 年 貸別荘 Ⅴira de ＹＵＢＡＲＡ 開業「倉吉せきがね湯命館」、 「せきがね湯楽里」、「倉吉市関金都市交流センター」指定管理開始 平成 22 年 上郡町立研修センター「ピュアランド山の里」指定管理開始
ファミリーイン大山セカンドホテル 開業
平成 23 年「朝霧温泉ゆ・ら・ら」、「ハイランドマウンテンオアシス交流広場」 指定管理開始
「北山健康温泉」、「多目的スポーツ施設 すぱーく出雲」指定管理 開始
平成 24 年 「淡路東浦サンパーク」、「東浦花の湯」、「淡路東浦Ｂ＆Ｇ海洋セン ター」、「淡路農村広場」指定管理開始
「うかん常山公園 石の風ぐるま」指定管理開始 お食事処「米屋」出雲北山店オープン
お食事処「米屋」有漢石の風ぐるま店オープン
５．指定管理施設の概要
（１）北山健康温泉保養施設
①名称 北山健康温泉保養施設（「北山健康温泉」）
出雲市西林木町153番地13（泉源施設）
③開設時期 平成11年（1999）4月
④規模 敷地面積 2,350㎡うち食堂部分（122.8㎡）を除く
建築面積 755㎡うち食堂部分（110.0㎡）を除く
泉源敷地面積 296.97㎡
⑤構造 鉄筋コンクリート造平屋建
⑥施設内容 浴槽（ジェット風呂、露天風呂、打たせ湯、男女各1 ）
個室浴室 1室
多目的室（10畳×3室）
休憩室（15畳）
食堂（指定管理対象外施設）
だんらんコーナー
売店
マッサージ機
（２）すぱーく出雲
①名称 すぱーく出雲
②所在地 出雲市西林木町63番地1
③開設時期 平成9年（1997）10月
④規模 敷地面積 3,047.00㎡
建築面積 1,069.75㎡（屋内ゲートボール場）
79.98㎡（クラブハウス）
10.00㎡（物置）
⑤構造 鉄骨造アルミニューム板葺平屋建
⑥施設内容 屋内ゲートボールコート×２（屋内ゲートボール場）
更衣室 男・女（クラブハウス）
物置
自転車小屋
６．指定管理施設の管理状況 ○平成 24 年度指定管理料
①北山健康温泉保養施設（北山健康温泉） 8,510,000 円
（消費税及び地方消費税含む）
○平成 24 年度利用実績
[北山健康温泉保養施設] [すぱーく出雲]
区分 入浴者数 区分 利用者数
60 歳以上 57,124 人 ゲートボール 8,914 人 60 歳以上と同伴 7,427 人 グランドゴルフ 351 人 一般 15,181 人 テニス 2,602 人 小中学生 4,973 人 その他 1,282 人 3 歳以上就学前 1,169 人 合計 13,149 人
個室入浴 801 人
その他 25,486 人 合計 112,161 人
・北山健康温泉保養施設（北山健康温泉） 入浴料等収入 31,172,698 円 ・すぱーく出雲（屋内ゲートボール場） 利用料収入 1,703,606 円
○平成 24 年度収支（消費税抜き）
①出雲北山健康温泉保養施設
収入：53,352,548 円 支出：57,551,755 円 収支差引：△4,199,207 円 ②すぱーく出雲
